産婦人科アトラス〔新装改訂版〕〜コンパクト超音波neo

ISBN:978-4-907909-37-6
定価:本体5,800円+税
B6版/296ページ
2026年2月20日発行

新装改訂版について

 本書はベクトル・コア社から発行されていた定番書「コンパクト超音波α 産婦人科アトラス」の〔新装改訂版〕です.
 全体の構成を見直し,新規症例を追加するとともに,全体を通して症例画像を調整.より見やすく使いやすい一冊に生まれ変わっています.

書籍紹介

■ 体外式超音波による産科・婦人科領域の検査を網羅した充実のアトラスです.
■ 超音波像,臨床知識,症例写真とその解説,注意点とさまざまなヒントを集めた「One point!」の構成で,画像と疾患の理解をサポートします.
■ 産科・婦人科の超音波検査を担当する若手医師,技師,助産師の皆さまにお役立ていただける一冊です.

序:新装改訂にむけて

 本書の初版が発刊されたのは2012年のことでした.産婦人科領域における超音波検査の基本的な所見から実践的な知識までを網羅し,臨床現場での手軽なリファレンスとして,多くの医療従事者の皆さまにご活用いただいてまいりました.発刊から13年が経過した今なお本書が現場で愛用されていることは,たいへん光栄であり,心より感謝申し上げます.
 しかしこの10数年で,臨床検査技師が行う産婦人科領域の超音波検査は劇的な変化を遂げました.婦人科超音波検査の主流は,産婦人科医が施行する経腟エコーとなり,検査室で臨床検査技師が経腹的に婦人科エコーを施行する機会は年々少なくなってきました.
 また,産科超音波検査においても,2022年3月に日本超音波医学会から公示された「超音波による胎児形態の標準的評価法」により,胎児超音波検査は広義の出生前診断のひとつとして認識する必要性が示されました.この検査を実施する医療者には専門的な研修が求められ,日本超音波医学会が認定する超音波専門医や超音波検査士の資格を有する者,またはその指導のもとで行うことが望ましいとされています.さらに,近年では助産師による胎児超音波検査が増加しており,「妊婦とのコミュニケーション手段として有効」「保健指導に役立つ」などといった利点が注目されています.これらは産婦人科医の負担軽減にもつながり,今後も助産師による産科エコーは増加することが予想されます.
 このような背景のなか,臨床検査技師が産婦人科領域の検査を担当する機会はさらに少なくなり,これらの症例を経験する機会が限られるため,知識や技術の維持・習得が困難な状況が生じています.こうした状況下での本書の新装改訂版の発行には,これまで以上に大きな意義があると考えます.
 今回の新装改訂版では,初版の内容を踏襲しつつ,一部の内容を改訂しました.現場で役立つ具体的な評価ポイントや数点の症例を新たに追加しました.また,各疾患の取扱い規約など改訂に伴い,腫瘍の名称や概念などについても見直しを行いました.
 本書が,産婦人科領域の超音波検査に携わる医療従事者の皆さまに引き続きご活用いただき,日々の診療を支える一助となれば幸いです.

見本ページ

▶ 下腹部腫瘤に対する経腹超音波検査による評価ポイント〔基礎〕
▶ 婦人科エコーの前準備〔基礎〕
▶ 重複子宮・双角子宮〔子宮・膣の奇形〕
▶ 皮様嚢腫〔卵巣疾患〕
▶ 子宮内膜症性嚢胞〔卵巣疾患〕
▶ 卵巣過剰刺激症候群/黄体化過剰反応〔卵巣疾患〕
▶ 妊娠初期のスクリーニング検査〔妊娠初期の診断〕
▶ 形態異常のスクリーニング〔胎児形態診断〕
▶ 胎児心スクリーニングのチェックポイント〔胎児形態診断〕
▶ 羊水量の異常チェック〔胎児付属物の診断〕
▶ 胎児血流計測〔胎児血流診断〕
▶ 脳室拡大・水頭症〔胎児頭部の異常〕
▶ 心室中隔欠損〔胎児心臓の異常〕
▶ 食道閉鎖〔胎児消化管の異常〕
▶ 妊娠中期の膜性診断〔多胎妊娠の診断〕
▶ 前置胎盤〔胎盤の異常〕

目次

■ 婦人科編 ■
《基礎知識》
下腹部腫瘤に対する経腹超音波検査による評価ポイント
 1. 腫瘤は充実性パターン,混合パターン,嚢胞性パターンか?
 2. 腫瘤は子宮と連続しているか? 子宮が描出できるか?
 3. 子宮と関係がない場合は,卵巣腫瘤エコーパターン分類で読影
 4. 腫瘤内の血流評価をする
婦人科エコーの前準備
 膀胱充満法
子宮・卵巣の正常像
子宮・卵巣の生理的変化
 子宮の月経周期に伴う変化
 卵巣の月経周期に伴う変化
《子宮・膣の奇形》
重複子宮・双角子宮
 ミューラー管奇形の分類
腟欠損症・腟無形成
《先天性疾患》
ターナー症候群
 性の発生と分化
 男女の生殖器の分化の違い
腟閉鎖症
ガートナー管嚢胞・腟嚢胞
《子宮疾患》

子宮筋腫
 子宮筋腫の分類
子宮筋腫(二次変性)
特殊な子宮筋腫(脂肪平滑筋腫)
子宮腺筋症
子宮頸癌
 子宮頸癌取扱い規約 組織学的分類
子宮体癌
 子宮体癌取扱い規約 組織学的分類
子宮内膜ポリープ
子宮内膜増殖症
子宮留水症・留膿症・留血症
子宮肉腫
子宮悪性リンパ腫
ナボット嚢胞
《膣部疾患》
腟悪性腫瘍
 腟癌のFIGO進行期分類
《受胎調節》
子宮内避妊具
 日本で使用されているIUD
《卵巣疾患》
卵巣腫瘍
 卵巣腫瘍の臨床組織学的分類
卵巣腫瘤のエコーパターン分類
漿液性嚢胞腺腫
漿液性癌
粘液性嚢胞腺腫
境界悪性粘液性腫瘍
粘液性癌
漿液粘液性腫瘍
明細胞癌
類内膜癌
悪性中胚葉性混合腫瘍
ブレンナー腫瘍
原発性腹膜癌
顆粒膜細胞腫
莢膜細胞腫
線維腫・線維莢膜細胞腫
セルトリ・ライディッヒ腫瘍
成熟奇形腫(皮様嚢腫)
未熟奇形腫
卵黄嚢腫瘍
悪性リンパ腫
転移性卵巣腫瘍
卵巣癌による腹膜播種
腹膜偽粘液腫
リンパ嚢腫
子宮内膜症性嚢胞
 子宮内膜症の進行期分類
機能性嚢胞
ルテイン嚢胞
卵巣過剰刺激症候群
黄体化過剰反応
傍卵巣嚢胞
《卵巣以外の病変》
卵管留水症
《急性腹症》
卵巣出血
骨盤内感染症
卵巣嚢腫茎捻転
 特徴のある卵巣腫瘍

■ 産科編 ■
《妊娠初期の診断》
妊娠初期のスクリーニング検査
 妊娠初期のスクリーニングのチェック項目
 妊娠部位の確認
 子宮内の生存胎児の確認
 妊娠週数の確認
 頭殿長の計測
 胎児の数
 胎児の形態確認
 nuchal translucencyの計測
 母体の子宮・付属器の確認
 妊娠合併虫垂炎
《妊娠中期・後期の診断》
妊娠中期以降のスクリーニング検査
 妊娠中期以降のスクリーニングのチェック項目
 スクリーニングの時期と回数
《胎児発育診断》
胎児発育のスクリーニング
 胎児計測
 胎児体重推定式
 頭周囲長の計測
胎児発育不全
 胎児発育不全(FGR)とは
 FGRのチェック項目
 FGRの分類
形態異常のスクリーニング
 頭部のスクリーニング
 頭部の基本断面
 透明中隔腔・四丘体槽とは
 胎児頭部超音波所見と主な疾患
 側脳室の構造
 脳脊髄液の循環
 顔面のスクリーニング
 心臓のスクリーニング
 胎児循環の血流
 胎児心スクリーニングのチェックポイント
 胎児心臓観察項目(Bモード断層像)
 胎児心臓観察項目(カラードプラ像)
 胎児心の走査法(1)
 胎児心の走査法(2)
 腹部断面のチェックポイント
 四腔断面の観察ポイント
 胸部のチェックポイント
 腹部のチェックポイント
 脊椎・脊髄の観察
 四肢骨格系の観察
 外性器の観察
《胎児付属物の診断》
臍帯の異常チェック
 臍帯のチェックポイント
羊水量の異常チェック
 羊水量の計測意義と定義
 羊水の産生と消退
 羊水量の評価方法
 評価基準
 羊水インデックス(AFI)
 羊水過多の原因疾患
 羊水過少の原因疾患
胎盤の異常チェック
 胎盤のチェックポイント
 正常胎盤
 胎盤のaging
胎児血流計測
 胎児血流の計測意義
 中大脳動脈波形の評価
 臍帯動脈波形の評価
《胎児頭部の異常》
無脳症/無頭蓋症
脳瘤
全前脳胞症
脳室拡大・水頭症
ダンディ・ウォーカー症候群
くも膜嚢胞
先天性硬膜静脈洞奇形
胎児頭蓋内血腫
脈絡叢嚢胞
《胎児頸部の異常》
頸部嚢胞性リンパ管腫
頸部奇形腫
胎児甲状腺腫
《胎児顔面の異常》
口唇裂
単眼症(象鼻)
眼間狭小
《胎児心臓の異常》
心室中隔欠損
 心室中隔の解剖とVSDの位置
房室中隔欠損
単心房/単心室
両大血管右室起始
完全大血管転位
 TGAの病型分類
エプスタイン奇形
ファロー四徴症
左心低形成症候群
総動脈幹症
 コレット・エドワーズ分類
血管輪
心臓横紋筋腫
《胎児胸部の異常》
先天性嚢胞性腺腫様肺奇形
 CPAMの分類(ストッカー分類)
肺分画症
胎児胸水
先天性横隔膜ヘルニア
肺低形成
 肺低形成の評価
 肺低形成の発生要因
《胎児腹壁の異常》
臍帯ヘルニア
腹壁破裂
《胎児消化管の異常》
食道閉鎖
 グロス分類
十二指腸閉鎖
小腸閉鎖/胎便性腹膜炎
腸管重複症(消化管重複症)
高輝度腸管像
《胎児腹部の異常》
胎児腹水
胎児腹部腫瘤
《胎児泌尿器の異常》
水腎症
 水腎症の重症度分類(SFU分類)
多嚢胞性異形成腎
ポッター症候群
多発性嚢胞腎
巨大膀胱
総排泄腔遺残症
プルーンベリー症候群
尿道下裂/二分陰嚢
《胎児脊椎の異常》
髄膜瘤
仙尾部奇形腫
 アルトマン分類
《胎児四肢の異常》
オーバーラッピングフィンガー
骨形成不全症候群
四肢短縮症
《臍帯の異常》
単一臍帯動脈
臍帯過捻転
臍帯巻絡
《多胎妊娠の診断》
多胎妊娠
妊娠中期以降の膜性診断
《多胎妊娠の異常》
双胎間輸血症候群
 双胎間輸血症候群の診断基準
 多胎妊娠の合併症
無心体双胎
《胎児皮下の異常》
胎児水腫
《胎盤の異常》
前置胎盤
絨毛膜下血腫
 胎盤の異常
 常位胎盤早期剥離とは
《異常妊娠の診断》
異所性妊娠
流産
絨毛性疾患(胞状奇胎)